犬の遺伝性疾患


◎セロイドリポフスチン症(CL症)

セロイドリポフスチン症(CL症)とは

セロイドリポフスチン沈着症(CL症)はボーダーコリーを始め、その他数種の犬種で確認されている遺伝性疾患です。主に運動障害、知的障害、視力障害などの症状が発現し、症状が進行すると死に至る怖い病気です。

原因

遺伝的に脳内の老廃物を除去する酵素が欠損していることが原因となります。
通常、代謝老廃物は脳内で酵素の働きによって分解・除去されますが、CL病の場合はこの老廃物が除去されません。このため中枢神経にこの老廃物が蓄積し続け、中枢神経障害を起こします。

症状

1歳以上になってからの発症が多いといわれています。発症後は、脳内老廃物の蓄積が進むにつれて脳細胞のダメージが進行し、3歳頃死に至ります。
以下のような症状がみられます。
・極度の不安や恐怖
・視力の異常
・足元がふらつき、飛んだり登ったりすることが困難になる
・異常に興奮したり、激怒したりする錯乱行動
・方向感覚を失う
・トイレのしつけを忘れる

◎TNS 捕捉好中球症候群 

TNSはCL(Ceroid Lipofuscinosis)と同様に常染色体劣性の遺伝性疾患です。
罹患した犬の治療法はなく、必ず死に至る遺伝性疾患です。

現在オーストラリアで確認されている例で、最も長く生きた犬の年齢は2歳8ヶ月齢です。
ほとんどが生後4ヶ月齢ぐらいまでに死亡するか安楽死をさせられています。

TNSの兆候はとてもさまざまですが、罹患犬のほとんどに見られるのが血球中の好中球の欠乏です。
感染症から体を守る働きを担う好中球は骨髄で作られます。罹患犬も骨髄で好中球は作られていますが、循環血中へ出て行くことができません。
つまり、TNSでは骨髄中には好中球はたくさんありますが、この好中球(=Neutrophil)が骨髄で捕らえられていて(=Trapped)血流に届くことができません。これが、Trapped Neutrophil Syndromeという病名の由来です。
血液中の好中球の欠乏により、感染症への感受性が高まります。

以前は、TNSは生後数週間で兆候が現れるとされていました。
これまでのケースでTNSの欠陥遺伝子は体のいくつかのシステムに影響を及ぼしますが、最も共通していることは免疫システムへの影響です。
そのため、普通は感染しないような細菌にも感染してしまいます。
感染した細菌の種類により、兆候を示し始める時期や症状がそれぞれのケースにより違うことがわかっています。
また、獣医師に連れてこられた時は、よく見られる虚弱新生子と思われて、TNSと診断されることが殆どありません。

◎GM1ガングリオシドーシス

脳や神経の機能に異常がみられる病気です。
バランス感覚がなくなり、脚を引きずって歩くようになります。
また、運動時に震えがみられます。症状が進行すると、
様々な刺激に敏感となり痙攣を起こしたり、逆に無反応となったりします。
5~6ヶ月齢までに発症し、通常14ヶ月齢までに死に至ります。

常染色体性劣性遺伝

原因

細胞小器官の一つである、ライソゾーム内酵素の欠損や異常な低下により、通常では代謝されるガングリオシドが中枢神経系に蓄積してしまい全身の臓器内に、ケラタン硫酸やオリゴ糖が蓄積し神経症状や運動失調をおこす病気である。

症状

5-6か月齢:バランスの欠如 軽度麻痺
7-8か月齢:接触や音に対するびくつき 重度麻痺
9-10ケ月齢:歩行・起立不能、視力障害、筋緊張(四肢 頭部)
11-12か月齢:筋緊張(全身)、痙攣、音や呼びかけに無反応
13か月齢以上:惰眠 死亡
5-6箇月の若齢で発症し間歇性跛行(歩行すると下肢のしびれや痛みが出るが、一時休むと症状が軽減しまた歩ける状態)頭の振戦(震え)運動失調(筋肉は正常だが、個々の筋肉の協調が取れず、うまく動けず歩いたり、座ったり、しゃがんだりできない状態)四肢の緊張性硬直が起こり直立不能や角膜の混濁による視覚の障害がおこり
13-15ケ月齢で死亡します。

◎変性性脊髄症(DM)

致死性の高い遺伝病です。進行性の神経疾患で、後肢の麻痺から始まり、前肢の麻痺・呼吸障害に至ります。発症年齢は約8歳

常染色体性劣性遺伝

症状

初期:両後肢のふらつき
中期:後肢の麻痺進行、歩行、起立困難
後期:脊髄に病変がおよび呼吸障害から呼吸不全になり死亡
コーギーの場合症状は8から10歳前後で出現します。
症状は、まず最初は背骨の真ん中あたりから出始め、後肢に擦って歩いたり、爪を立ててつま先で歩くような症状が出ます。
その後、前のほうに広がり前肢に症状が出始めます、さらに進行すると首に広がり、呼吸困難になります。このような進行は約3年間かけゆっくり進行します。このほか歩行時に腰のふらつきや、後肢が交差するように歩くような症状があります。

原因

不明点が多く未解明
ミズーリ大学の研究者は発症犬に共通して遺伝子の変異があることを発表してます。

引用 アニコム・Japan Border Collie Health Network・バイオプラス

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