飼い主の思い

●致死性遺伝性疾患、発症犬の飼い主として思うこと。

北海道札幌市の関口と申します。

2012年4月14日生れの牝ボーダーコリー。
セロイドリポフスチン症(CL症)の発症犬を2015年5月19日まで飼っていました。 約2歳過ぎでCL症が「発症」していることが判明しました。
私は一般の飼い主で医学的なことも何も解りませんので、遺伝性疾患の医学的な面に関しては書くことは出来ませんが。

致死性遺伝性疾患の発症犬を飼い看取った経験から何か伝えることが出来ればと思います。
てんかん発作を初めて起こしてから亡くなるまでの約1年間、ゆっくりと眠ることもできなくて、外出も そうそう出来ない状態が続きました。
日に2~3度のてんかん発作を起こす犬を看ていても、飼い主が出来ることは何もありませんでした。
もちろん動物病院へ行っても病気を治すことは出来ません。 日々、弱っていく犬を見ていることしか出来ません。

ペットショップから迎える時にも「親犬はCL症の検査はしていますか?」、
「しっかりしたブリーダーさんですから大丈夫です」と言われましたが、
結果的には大丈夫では無かった訳です。この時点で自分の勉強不足でした。

弱って行く犬を看ながら、なぜこういう致死性遺伝性疾患の発症犬が出てくるのか? なぜ遺伝性疾患は無くならないのか?
繁殖時に親犬の遺伝子検査を行い適性な組み合わせで繁殖を行えば発症犬は出ない。 では何故、ペットショップで売られている犬の親犬は遺伝子検査をしていないのか?
無くそうと思えば比較的簡単に無くせるCL症が無くならない理由、調べれば調べるほど いろいろな事柄が複雑に絡み無くならないことを知りました。

ボーダーコリーのCL症・TNS(捕捉好中球症候群)・柴犬等のGM1ガングリオシドーシスなどの発症は親犬の遺伝子検査で防げます。
犬種のスタンダード、流通販売、血統書の問題等いろいろな問題はあると思いますが、 先ずは出来るところから始めなければと思っています。飼い主・獣医師・検査機関・繁殖者・ペットショップが協力して取り組まなくては難しい問題かもしれません。

致死性遺伝性疾患は犬が苦しむだけでは無く、飼い主側の健康面・精神面等でも大きな 負担となります。
これ以上、遺伝性疾患で苦しむ犬や飼い主さんが出ないように。

これから犬を飼うという方々には、私と同じ過ちをしないためにも いろいろと考えていただきたいと思っています。飼おうとしている犬種の遺伝性疾患には どんなものがあるのか?親犬は間違いなく検査は受けているのか?検査の証明書は見せてもらったか?等々。 後々、苦しんだり不幸な思いをすることのない様に。 「大丈夫です」は大丈夫では無いこともあります。
もちろん、保護犬を迎えるという選択肢もあります。

発症の犬を看ていて、皆さんから本当に多くの力をいただきご協力をしていただきました。
山形市の五右衛門君の飼い主さん、CL症発症犬の飼い主さんを様々な面でサポートを続けていただきました。兄妹犬を探すのに他のブリーダーさんも協力していただきました。兄妹犬・親戚犬の飼い主さん方からも大変に大きな協力をいただきました。
ここに御礼を申し上げます。



※シェパードやコーギーのDMは、遺伝子検査の結果で発症と判明しても、発症から死亡までの期間が異なることもあり、現段階ではそれについての説明ができていません。
したがって、遺伝子検査を実施することにより、発症の頻度は極端に下げることが可能な疾患ですので、DMについては、遺伝子検査が導入されることが望ましいと考えています。



※遺伝性疾患に対しては、多因子による遺伝性疾患、すなわち多くの要因が絡む疾患も存在します。
遺伝子検査が万能ではなく、時に、その家系からどの程度の病気の個体が出るかについても調査する必要があります。
したがって、遺伝子検査を用いる基準は、犬種毎に設定される必要があります。 同時に、遺伝子検査の結果にこだわりすぎて、交配可能な犬の数が極端に減少してしまうと、どうしても近親交配に近い状態になることがあります。
このような交配においては新たな問題を生じることもあり、専門的な知識や経験を元に交配計画を立てる必要があります。

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